
神社や神様について、皆さんにもっともっと知ってもらうために、日本最古の歴史書である『古事記』『日本書紀』に描かれている神話や神さまついて、ちび神さまの『にぎこの』が楽しく説明してくれます。
目次
【古事記】ストーリー紹介~神代の始まり~

にぎ:「このさん、このさん。今夜は、古事記の最もはじまり、”神代の原点”について語ってもいいかな。」
この:「神代の原点?……なんだか哲学のような響きだね。今日はどんな世界が広がってるの?」
にぎ:「これはね、“時間”や“空間”すらまだ定まっていない、あらゆるものが未分化だった時代の話。天地の区別もなく、ただ『混沌』がそこにあった。」
この:「混沌……か。つまり、まだ秩序が生まれる前、ってこと?」
にぎ:「うん。その混沌の中から、静かに、しかし確かな意志を持って現れたのが、『天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)』。すべての中心にあった存在……言うなれば、“宇宙のはじまりの意識”だね。」
この:「一柱で現れたっていうのが、なんだか孤高な感じがするな。」
にぎ:「まさに“ただひとり、語らずして在る”という存在だね。そしてその後に現れたのが『高御産巣日神(たかみむすびのかみ)』と『神産巣日神(かみむすびのかみ)』。この二柱は“産む”“結ぶ”という意味を持ち、現実を形づくるはたらきの神。宇宙に“動き”と“関係”が生まれたんだ。」
この:「つまり、“存在”がまずあって、そこに“働き”が加わった……。なんだか、人生の本質にも通じそうだ。」
にぎ:「そう。実はこの3柱の神々は、『造化三神』と呼ばれていて、神話の中でも特別な“独神(ひとりがみ)”として描かれている。対話や争いをせず、ただ“現れて、姿を隠す”んだ。」
この:「神話ってもっと派手な争いとか、冒険の話が多いと思ってたけど……静けさから始まるって、不思議だね。」
にぎ:「派手さはないけど、ここには“はじまりの原理”が詰まってる。秩序と循環、生と死の種子がすべてこの最初の神々に含まれていた。そこから、ようやく世界は動き出していく。」
この:「その次に続く神々も、また違う役割を持っているの?」
にぎ:「もちろん。やがて、天地が分かれ、天には『高天原』が、地には『葦原中国(あしはらのなかつくに)』が形づくられる。けれど、まだ大地は“海のように漂っている状態”だった。その混沌を形にしていく使命を与えられたのが、『伊邪那岐命(いざなぎのみこと)』と『伊邪那美命(いざなみのみこと)』の二柱の神なんだ。」
この:「ああ、日本を生んだ神様たちだね。」
にぎ:「そう。彼らは“天の浮橋”に立ち、“天の沼矛”という矛で海をかき混ぜ、そこから最初の島が生まれる。そして山や川、風や火、命あるすべてを生んでいくんだ。」
この:「天地の始まりから、世界のかたちが整っていく流れ……まるで大きな絵巻物みたいだ。」
にぎ:「でもね、この物語はただの創造の話じゃない。神々の営みの中には、“過ち”や“死”といったテーマが早くも現れてくる。伊邪那美命の死と黄泉の国の話にもつながっていくからね。」
この:「創造と同時に、喪失も描かれているんだ……まるで人生みたいに。」
にぎ:「そう。神話は“神”の話であると同時に、“人間の心の原型”を映している。混沌、誕生、関係、創造、愛、別れ――それらすべてが、神話のはじまりには含まれているんだよ。」
この:「それを知るだけで、なんだか心が整ってくるような気がするよ。」
にぎ:「嬉しい言葉だね。この世界を形づくった神々の歩みを知ることは、自分の生き方の“起源”をたどることでもあると思う。」
この:「ありがとう、にぎさん。次は……やっぱり、イザナミとイザナギの物語をもっと深く知りたいな。」
にぎ:「もちろん。その物語には、愛と喪失、再生と祓いが込められている。きっと、このさんにもどこか重なる部分があると思うよ。」
この:「今の自分にとって、大事なテーマかもしれない。楽しみにしてるよ。」
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天之御中主神(アマノミナカヌシ)
高御産巣日神(タカミムスビ)
神産巣日神(カムムスヒ)
伊邪那岐命(イザナギノミコト)伊邪那美命(イザナミノミコト)
【神代の始まり】出演神さま関わり神社紹介

【にぎこの】紹介
